2014年5月16日金曜日

トホホな特性のFETが大量発生とな・・・ 「お前は一体ナニモノじゃ?!」

たまた変なタイトルの記事を書き始めることになるのだが・・・

いやはや、昨年秋口からオーディオ関連で使われている定番パーツの枯渇傾向を察知し、色々と補給活動なんぞをさせてもらっているのだが・・・
ある時、入手できたパーツをにんまりしながら特性チェックをやり始めたら「何か変だぞというのを見付けてしまいましてね 今回の記事では、そのあたりをごくごく軽~く、害のない範囲 で記してみたいと思う次第。


いうことで、今回の主人公(笑) は この人っ
なぜか手近な店で購入する機会に恵まれなかった (本来なら) 東芝さん謹製のNch J-FET “2SK117-GR”君。 同じ2SK117のYランクは秋月さんでまだ購入できるし、BLランクは地元大阪日本橋のデジットさんですでに購入済み。 どういう訳か、GRランクのみが入手できていなかったという状態だった。

で、確か2014年に入って 1月の末頃だろうか。 とある通販で 2本セットで100円という値段がついて売られているのを発見、25セット(50本)ほど注文しておいたのがコレですワ。


荷してしばらくは他の部品の整理とかもあったので特に何もせず放置していたのだが、何週間かたってから「ペア取り」を兼ねていつもの半導体アナライザを使って特性を調べてみると・・・

ほとんど「何じゃこりゃ~」っちゅう状態ですなぁ。
FETのランクはGRなので、IDSSは 2.6~6.5mAの間におさまっているはずなんだけど、テキトーに抜き取った14本を順番にプロットさせてみると、大半のヤツが天井を突き破ってスケールアウトしていきやがりましたがな・・・

この時点で、IDSSが規格内なのが5本に対し、大幅に多いのが9本。 不良品が混じっているにしては多すぎるというのが正直なところ。 別の店で買った YランクやBLランクのとくらべて、リード線の感触が何となく違うというのも気になるところだ。

ひょっとしてコレが噂の「リマーク品」というヤツですか

とりあえず購入店に連絡するも、何となく要領を得ないという状態。 そりゃ販売店も (怪しいブローカーから偽物をつかまされたという) 被害者かも知れないという事情を考慮するならそうなんだけどね・・・。

連絡してから数日後、「返金しましょうか?」というメールが来たけど、こちらから辞退してやりましたワ。 最初はちょっと腹立たしい気分だったけど、時間を置いたせいでだいぶ醒めて余裕が出てきましたなぁ。 「せっかく怪しいネタがころがりこんでくれたんで、もぅちょい遊んでやるか」って感じでね(笑)


の後しばらくして、別のショップで今度こそ無事に東芝さん正規品の 2SK117-GR君ほかをGetね

早速、怪しいのと純正のヤツを並べて比較してみるの図
左側の2本は怪しい方、そして右側の2本は東芝正規品。 怪しい方は、パッケージがほんの少し大きいのと、リード線の材質が少しふにゃふにゃで長め。 ハンダメッキもされていないように見えますな。


いてはひっくり返して、てっぺんから見てみたところ。
てっぺんには樹脂型から外したときの「-」印の痕跡が付くのだが、向かって右側 2本(怪しい方)は 端部までほぼ同じ太さで到達しているのに対し、左側 2本(正規品)は 中央部分に太い痕跡があり、端部は薄くなっている。


後はやっぱり特性チェックですかね。

再度半導体アナライザに登場してもらい、購入直後のチェックでIDSSが規格内に入っていた 3本、追加購入した正規品の中から 3本抜き取って、同じ画面にプロットさせてみた。
グラフの端に番号を振ってあるのでご確認いただきたいのだが、ここで 1、2、3が怪しい方、そして 4、5、6が正規品だ。 電圧を上げて行ったときの電流増加の割合が明らかに違うのがお判りいただけるだろうか。 やっぱりこりゃアウトですなぁ

はい、とりあえず結果が判ったということで、どうすればコイツらを有効活用できるか等も含めて、処遇の方を考えてみましょうかね・・・

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