バラック配線ばりばりの環境で申し訳ないのだが、とりあえずこんな環境でテスト中。
計測項目は、LED両端の電圧と、流れている電流値の2項目、電源は12V 1AのスイッチングタイプACアダプターだ。
そのままではオシロで電流は測れないので、例によって 1Ωの抵抗を直列に接続して、その両端の電圧を測定することで間接的に電流値が判るようにしている。
また、この抵抗の電圧降下分が加算されないよう、LEDと抵抗の接続点にプローブのGNDを接続するようにした。 そのため電流値は逆極性になる。
波形を一瞬見ただけで、制御がまともに行われていない状況が判ってしまった。
電流値が一瞬 1.2A以上まで流れた後 0に戻り、その後約 1.8mS強の間、全く電流は流れていない。 つまり、数百Hzでの間欠点灯という状態になってしまっている。
人間の目でそのまま見る限りでは判別できない状態だが、LEDの前で手を振ると点滅しているのがよく判る。
そもそもこのテのICは、間欠点灯させるような制御にはなっていなかったハズだ

ということで、早速このボードに使われている制御IC“AMC7150”のデータシートとアプリケーションノートを調べてみた。
回路図を書かないといけないかなと思っていたら、アプリケーションノートに全く同じ回路が掲載されている・・・ と。
ちなみに、実際のボードでは、
・Rsense=1.3Ω
・L1=220uH
・Ct=容量不明積層セラミック
となっている。
いちばんクサイのは、発振タイミング用の Ctなのだが、残念ながら値が印刷されていない。
波形を見ながら、別のコンデンサを次々にパラって様子を見ていたのだが、かなり大きなコンデンサをパラってもほとんど周波数が動かない・・・ というなかなか手強い状態だった。
疑わしきは、やっぱり交換でしょう

ということで、新品の 820pF 1608サイズのチップコンデンサを用意して取り替えてみた。
上のイメージは、基板と取り外したコンデンサ(右側)、新品の 820pF(左側)。
これは余談だが、この程度の容量で1608サイズの場合、ほとんどはCH特性のセラコンが使われている。 右側の取り外したセラコンは誘電体の色が茶色っぽい色をしており、これは高誘電率タイプの典型的な色だ。
外したセラコンをテスターのCレンジで調べてみたら、0.6uFもあったなんて口が裂けても言えませんな

ということで、セラコン交換後の波形をどうぞ・・・
例によって、LED両端の電圧と、LEDに流れる電流値 (=1Ωの抵抗両端の電圧)。
これですっかり直ってしまったように思うのだが、いかがだろう。
ちなみに、電流値の平均は 215mA程度になった。 現状、Rsenseは1.3Ωなので、300mV(CSスレッショルド) / 1.3Ωで、約230mAのピーク電流でリミットがかかることになる。 もし 350mAに近づけたい場合は、Rsenseをもう少し小さい値に取り替える必要がある。
さてさて、ここまで調べることになってしまったのだが、本心から言うと、このボードはサンプル的な位置付けだった。 つまり、自分で似たような回路を試そうとする場合の比較用とでもいうべきか。
しかし、これがものすごいハズレ


ICの内部構成も判ってしまったのだが、このICには、
・スイッチング素子がNPNトランジスタのハイサイドスイッチ
→つまり電圧ロスが1V以上ある。 初期の電源ICと似た構成。
・ON電流のリミット制御はあるが、OFF電流は制御されない。
→つまり、LEDのVfや電源電圧の変動が電流値に影響する。
というイマイチの点があり、私の求めているお手本にはなり得ないことが判明したので、これ以上追いかけるのは止めておくことにする。
今回の挙動不審な動作は、単純なセラコンの誤実装という結論になるのだが、先週土曜日にシリコンハウス店頭を見たところ、同じような色のセラコンが実装された基板(青い袋の上からなので絶対とは言えないが)が並んでいたので、ひょっとしたら他の個体にも・・・ といらんことを考えてしまうのでありました。 はい。
ま、この件をクレームとして申告してもいいんだけど、例の保証規定をタテに交換だけで終わっても馬鹿馬鹿しいだけだとも思うし、正直なところ私は 598円分以上楽しめたので、もうこれで終わりにしておこうと思う。 もちろん試しにもう一つ買ってみるとかいうのも、するつもりはない。
ということで、これにてThe End・・・

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