ただ今 5KΩの抵抗負荷を接続、出力60mAで調整運転中なんだけど、ちょっとトランス(コアと巻き線)の発熱が大き目かな・・・
前回の記事では「250V出力で50mAが取り出せる」ことは確認したものの、「整流用FRDがチンチンに熱くなる」という要改善ポイントを残したままだった。
それらの対策をやっつけた次なるボトルネックはというと、やはりトランス(コイルとコア)という感じかな。 目下の実力値としては、もし出力300Vで長時間の連続運転が必要なら、50mA程度までにしておくのが無難かも。
現時点での回路図はこんな感じで
まだ完成形の回路ではないので各部の定数は入れていないのと、流動的な部分があるのはどうかご了承を。
ではでは、ここからは本記事の「お題」ということで、整流用FRDの発熱対策について軽く記しておきたいと思う。
まず上記の回路図中で出てくる主要部品についてコメントしておくと・・・
・VIN: とりあえず12Vの安定化された電源
・U1: LT1170CT (リニアテクノロジー製コンバータ / 100KHz 5A)
・T1: Aitendoさんで購入したEE25コアとボビンを使って自作
・D1: 11EQS10 (日本インター製SBD / 100V 1A)
・D2: UF2010 (PANJIT製FRD / 1000V 2A trr=75ns)
ちなみに、D2のそばにある CS1、RS1、D3は T1に発生するサージ電圧抑制対策用パーツなので、最初はつないでいない状態からのスタートとなる。
最初は「素」の状態で軽めのパワーを出させているところから、D2の素性を探ってみることにする。
出力端子には 4KΩの抵抗負荷を接続し、電圧を150Vに設定して軽~く流した状態。
D2と直列に1Ωの抵抗を挿入し、間接的にD2を流れる電流をみたのが CH2(水色)の波形、そして D2両端にかかる電圧をみたのが CH1(黄色)の波形になる。
CH2は 500mV/divに設定してあるので 1Ωの抵抗なら 500mA/divと読み替えることになる。 すでにこの状態でも D2に加わる電圧が立ち下がる瞬間に200mAほどの逆電流が流れており、リカバリ損失を気にしなければならない領域であることに気付くことになるのだが・・・ (汗;
但しここではまだ極端な発熱とかはなく、至って平穏な状態であることをお伝えしておく。
続いては出力電圧を200Vに上げた状態。 負荷は4KΩなので出力電流は50mAね。
波形のデューティー比が狭くなり、D2が導通している時点での順方向電流も増える。 それによってD2内部に蓄積される電荷が増えて、立ち下がる瞬間に漏れ出る逆方向電流も増えると。
次は、この状態のまましばらく放置してみると・・・
D2の自己発熱の影響がじわじわと効いてきて、リカバリ時間が延びてピーク電流の増加も始まっている状態だ。
ちなみにこのままさらに放置すると、熱暴走というコワイ現象に突入し、D2を破損させてしまうことにつながる。
私も実はこの実験をやる前は「trr=75nsなら十分足りてるんぢゃないの?」なんて考えていたんだけど、ところがどっこい・・・ という感じですなぁ
とりあえずD2の代替候補を探そうということで、先日ポンバシで仕入れてきたイマドキのデバイスを試してみたところ。
まずは日本インター製のFRDで、600V 5A trr=40nsの “GSF05B60”君から・・・
大型でややオーバースペック気味ではあるけど、なかなか良ろしいなぁ
続いては、CREE製のシリコンカーバイドSBD、600V 3Aの“C3D03060F”君も試してみる。
こちらはちょいとお値段高めではあるものの、さらにリカバリロスの低減ができそうでええ感じですワ~
とここで下側の波形に注目してもらいたいのだが、結構なサージ電圧が発生しているので、これも手当てしないと出力電圧が上げれないということになりますなぁ・・・
CH1(黄色)は 100V/divなので、出力電圧200Vの時点ですでに500V近いピークが出ているっぽい状態では、出力電圧を300Vに上げたら軽く耐圧の600Vをオーバーするのは確定だろう(大汗;
最後の仕上げいうことで、お砂場遊び(笑) なんぞをやってみると
お砂場・・・ いや、Snubber circuitですな(笑) として CS1、RS1、D3を組み合わせて挿入してやり、T1に発生するサージ電圧抑制対策をやっつけて電圧を上げても持ちこたえられるようにしておきましょ~かね
それでは、今日はこの辺で・・・
0 件のコメント:
新しいコメントは書き込めません。