2020年7月19日日曜日

VFDオーディオレベルメーター製作準備の巻・・・ (Part-2)

日、5月末~6月初旬にかけて Aitendo's電子工房で購入したレベルメーター用途なVFD君。 点灯試験2回に分けて済ませたんで、応用の際に必要となる情報もほぼ揃ってきたようにも思う。 色々購入したうちの 1つが応用に適さないイマイチなデバイスなのが判ってしまった(汗; んだけど、今のところその他は全部使えそうなので順次カタチにしていきたいと思う次第。


 初はいつも通りということで、実験がうまくいっている写真からご紹介しておきましょ~かね
上の写真は 2回目の点灯試験でご紹介した今回購入の中で最も端子数が多い VFD7632A君。  この VFDはメーターの表示が 21段階と細かく割り振られているため、現在検討中の ICを使った回路ではちょいと拡張が必要になる。 そのあたりの回路検討も進めるため、今回 Part-2でトライしておこうと思う。

その他、前回のお題として挙げさせてもらった内容はこんなところで、
  • ドットモードで必要になる上位桁とのキャリー情報について、資料を読み解く&対策
  • VFDドライブ用に、チップ品の Pch MOS FETをいくつか変換基板に取り付けて試してみる
  • ICの内蔵基準電圧源にバラツキが多そうなので、調整できる仕組みを入れてみる
  • 【追加】21段階目の表示ができるよう、回路の拡張を行う
はい、今回も頑張って行ってみましょ~


ベルメーター制御用 IC LM3914N-1の周辺は、Part-1でご紹介したところからあまり大きな変更はしていないんだけど、冒頭で挙げた “お題” の内容は何とか解決できそうなのが幸いなところかな。 ブレッドボード上の右側エリアには、追加のコンパレーターと新たに作成した基準電圧源を配置している。


加回路部分を拡大したところ
まず “ICの内蔵基準電圧源にバラツキが多そうなので、調整できる仕組みを入れてみる” という件だが、LM3914N-1の基準電圧源に VRを入れて調整できるようにするべきかと少し検討したものの、元々高精度な基準電圧源でない上に LEDドライブ用の定電流値設定と共通になっていてすんなりと値が決まらず結構煩わしいというのが第一印象。 しかも最終的にこの ICを4個使う全てに調整用の VRを入れるのは現実的ではないよねというのが実際のところかと。
なので、ここは考えを変えて “別の基準電圧源を追加して全ての ICで共通に使う” ことにしてみた。 シャントレギュレータ TL431に電流ブースト用トランジスタを追加し、低めの抵抗で分圧してやれば当初の目的は達成できそうなので、まずはコレで検討かな。 IC内蔵の基準電圧源はドライバーの電流設定のみになるし、調整箇所も 1つだけで済むので煩わしく感じることもないだろう。

続いては “【追加】21段階目の表示ができるよう、回路の拡張を行う” の対応。 これは幸いにも 1レベルだけの追加になるので、追加のコンパレーター LM393を入れるだけで良さげな感じ。 コンパレーターの基準電圧も、自前の基準電圧源を追加したのでそこから持ってくることができるので全く問題なし。 メーターの表示をドットモードにするには下位桁の回路にキャリー情報を返す必要があるのだが、これは次の項目と共通なのでそちらで説明しよう。

3つ目は “ドットモードで必要になる上位桁とのキャリー情報について、資料を読み解く&対策” ね。 一応ブレッドボードに回路を組む際にもデータシートは参照したものの、単に Pin9がバーグラフモードとドットモードの切り替え、それにキャリー情報のやりとりのため上位桁の Pin1に接続するという程度しか意識はしていなかった。
データシート上は Pin9を電源端子に接続するとバーグラフモードに設定され、オープンではドットモードに設定されるとなっているのだが、実際のところは Pin9の直流電圧で色々と判定がされているようだ。 まずは電源電圧より 100mV以上低い電圧かどうかでドットモードの判定が行われる。 Pin9がオープンの場合は自動的にこの状態になるように設定されている。
ここでドットモードのままだと 10段目のLEDが点灯した後、入力電圧が増加してもそのまま点灯し続けるため、上位桁の Pin1と接続することでキャリー情報が伝達されることになっている。 直流電圧としては、ドットモードよりもさらに低い電圧にすることで 10段階目のLEDが消灯するようになっており、上位桁の 1段階目 (=11段階目) が点灯すると、下位桁の 10段階目は消灯し、目的は達成できることになる。
前回 Part-1の実験ではこのときに 9段階目の針が点灯してしまい、これは何とかしないとね、となったんだけど、色々調べているとおそらく LEDが負荷の場合はこの問題は表面化しないように思われる。 出力端子は定電流制御されているので、電源電圧から LEDのVf分より低くなることはないというのが実際の動作だろう。 データシートにも判定のことは英文で長々と記されていてその中にリーケージ電流がどうの、という記述も見受けられるのだが、今回の症状とは無関係のようだ。 自分で色々と電圧を振って調べてみたところは、ドットモードよりもさらに数百mV低ければ 10段階目は消灯し、さらに電圧を下げて行くと 9段階目のドライバから電流が流れ出してしまっている。 結局のところは上位桁の Pin1とは直接接続せず、抵抗で接続するように変更してダイオード×2個でクランプしておくというのが (今回のパターンでは) 正解っぽい。 ちなみに上位桁の 2~10段階目が点灯している際にも Pin1からは少し低い電圧が出力されるようになっており、下位桁の消灯状態は維持されている。 さらに上位桁がカスケード接続されて点灯している際にも最下位桁にもこの状態が伝わるようになっているため、今回のようにコンパレーターを追加した際にも同様の回路を追加すればOKだ。



回分の最後の対応は、“VFDドライブ用に、チップ品の Pch MOS FETをいくつか変換基板に取り付けて試してみる” かな 
とりあえず Pch MOS FETの BSS84君を 2つほどテキトーなユニバーサル基板の切れ端にマウントして挿し変えてみた。 抵抗入りトランジスタの場合は内部に入っている分圧抵抗がそのまま負荷として働いてくれるのだが、MOS FET単独では負荷抵抗になるものがないので、別途 10KΩの負荷抵抗をぶら下げておいた。
何箇所か挿し変えてみたところでは問題はなさそうなので、こちらも OKのサインにしておきたいと思う次第。 実際には抵抗入りトランジスタの方がお手軽な感じがするのでどうするかはまだ未定ではあるけど。


いうことで、表示部分の回路についてはこれでほぼ Fixできたように思う
そろそろバラックで組んである VFDなんかも、ユニットにまとめる算段でもしておきますかね

ではでは、今日のところはひとまずこの辺で・・・

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