2014年3月31日月曜日

12BH7A全段差動パラPPアンプ ~ 製作準備編 (Part-4)

ストベンチ上での試作を細々と続けている 12BH7A全段差動パラPPアンプ。 前回 3月08日の記事でイマイチな点がいくつか出てきた件の対策を軽くやってみた。


いぶんとごちゃごちゃしてきたテストベンチ上の回路
右下のコーナー付近に取り付けてある 12BH7A君のカソード回路を色々変更して動作が確認できるよう、6Pinのレバースイッチ2個、それに電解コンと抵抗も増設している。 ガレージの隅っこに転がっていた端切れの板に組み立てたもんで、少々手狭になってきたのが苦しいところですなぁ(苦笑;


路の方はこんな感じで (クリックで拡大)

前回の記事で記させてもらった課題を、再度検討してみると・・・
1.ゲインが足りない
 A.初段をもっとゲインの高い球に変更する
   12AX7に替えてみる? とりあえず6N2Pで確認やってみる
   ※初段の負荷抵抗や、出力段のグリッドリークを高くする必要ありそう
 B.ドライブ段を 2段構成にする
   球を6CG7に変更して、前段にFETの差動アンプを追加するとか
   初段をゲインの取れる品種のFET差動アンプにして、球をカスケードにする?

��.出力が考えていたよりも低そう
 A.LM317Tにバイパスコンデンサを抱かせる
   全段差動のメリットがなくなるので、ON/OFFできるスイッチも必要?
 B.出力トランスの6Ω端子から出力を取り、球から見たインピーダンスを上げる
 C.電源電圧とバイアスの最適化を行う。
 D.ウチのスピーカーは高能率なので、何とかガマンする?
 E.カソード共通回路を、フツーの抵抗に変更する(追加検討)
まずは簡単に対応できそうなところからということで、赤文字の部分を確認してみた結果をば。


初は入出力特性から。
初段の球をHighμの6N2Pに変更して負荷抵抗も120KΩに上げてあるので、とりあえずゲイン不足は解消されたように思う。 負帰還を10dB以上かけようと思うならもう一歩のところだろうが、とりあえずはメドがついたように思う次第。

検討項目のひとつである「LM317Tにバイパスコンデンサを抱かせる」というのを試してみると、出力は劇的に向上するのを目の当たりにしてしまった。
但し、これをやると全段差動のメリットを帳消しにしてしまうことになるんで、他の方法があるならやりたくないというのがホンネではあるが、まずは検討項目その1ということでメモっておきませぅ・・・


は歪率特性もどうぞ。 前回の記事では単なるTHDをグラフにしてみたのだが、やはりTHD+Nをプロットする方が現実的なように思うので今回からはこちらで。

先ほどのバイパスコンデンサ追加で「劇的な出力向上」を目の当たりにしたばかりなんだけど、ちょっと歪率のカーブは不自然な挙動が目に付きますなぁ。


いては、最後に追加した検討項目ということで、LM317Tによる定電流回路でカソード共通回路の電流を完全に縛るのではなく、ここをフツーの抵抗に変更して「縛り方を緩くする」という試みね。

カソード共通回路に定電流回路を挿入して縛ってしまうと、片方の球がカットオフした後も、反対側の球にそれ以上の電流を流すことはできないのだが、ここを抵抗に変更することで、少しなら電流を増やす余地が生まれることになる。 12BH7A君のような「直線性が良くない球」を使う場合はこういう配慮もしておいた方が効率的なのかも知れませんなぁ・・・


ほどのLM317Tでの確認と同様、バイパスコンデンサの有無それぞれでデータを取ってみたけど、コンデンサを追加するとやっぱり歪率の挙動がちょっと変な感じがしますなぁ。 単なる抵抗だけだと、差動回路の恩恵も受けつつ最後の踏ん張りも効かせてくれるという感じなので、とりあえず「カソード共通回路のバイパスコンデンサは不要」という結論にしておこう。

ということで、次回は紫色に着色した検討項目について確認してみたいと思う。

ではでは、今日はこの辺で・・・

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