つい10日ほど前の週末にマルツさんで購入させてもらったイサハヤ製 J-FET 2SJ498-D君、それに 2SK2880-D君。 意外とお値段が張る&店頭の在庫も少なかったのであんまりたくさん購入できなかったんだけど、今のうちにささっと半導体アナライザにでもかけて、軽~く「味見」でもしておきたいと思う次第。
まずは最初に 2SJ498-D君
上のグラフは Vgsが0Vの状態でのドレイン電流、つまり IDSSをそれぞれの個体でプロットして重ねたものだ。 見慣れた東芝さんの FETにくらべて Vdsが数Vから上の部分が完全には平坦でなく、やや傾きが見られる状態。 一般的には問題になることはないとは思うが、定電流回路なんかに使う場合は一応気にしておいた方が良いかも、というレベルかな。
あと、差動アンプを構成するためのペア取りを考慮するなら、もう少しサンプル数を多くしないと苦しいかも知れない。 マルツさんの店頭には4個しか在庫がなかったんでそのまま全部いただいてきたんだけど、やはり母数4個では特性の揃ったペアを確保するのは無理っぽい感じがしますな。
そしてこちらは、Id / Vgs特性。 Vdsを適当に設定し(今回は5V)、Vgsを振って電流の変化をプロットしたもの。 つまり、このグラフの傾きがゲインの目安になるという訳ですな。
一般的にはVgsは PN接合がONにならない負のバイアス領域で使うのだが、ちょっと無理して使う場合のことも考えて正のバイアスになる0.5V付近まで振った場合の特性を取ってみた。
Vgs(OFF)のポイントは 1.5V前後と、ローゲインなJ-FETの一般的な特性と言う感じですかね。 Vgsを正の方向に振ってやると、結構なオーバードライブ状態になるもんですな (^^)
続いては 2SK2880-D君。 先ほどの 2SJ498-Dの特性を見ていると、何となく傾向が違うよな・・・ と思うのが実際のところ。
2SJ498-D君と同様にIDSSをサンプル数 (今回は5個)の分だけプロットしてみたのだが、肩特性は何となくシャープだし、Vdsが数V付近の傾きもほぼ平坦だ(笑)
こちらのサンプル数は5本。 サンプル1と2はほぼぴったり重なっているんで文句なしにペアが組める状態。 もうひと組、サンプル4と5はあんまり細かいことを言わなければペアにできるかなというところか。 まぁ10本程度買ってくればステレオでアンプを組むのに必要な 2ペアは取れると見て大丈夫だろう。
こちらも先ほどと同様に、Id / Vgs特性。
IDSSの特性はコンプリメンタリの 2SJ498君と幾分違って見えたものの、Id / Vgsのカーブを見る限りは似てますな・・・。
次のステップは他社の同等品とくらべてみましょうということで、2SJ498-Dに対して東芝さんの 2SJ105-GRの手持ち品から IDSSの値が同じくらいのヤツを引っ張り出してきて比較してみたところ。
やはりというか、IDSSの特性を見てみると「別もの」という感じがしますな。 Id / Vds特性を見ると、2SJ105-GR君の方が少しゲインが高い傾向が判りますワ。
今回の最後は、2SK2880-D君に対してやはり東芝さんの同等品 2SK246-GR君との比較。
今回たまたま引っ張り出してきた個体との比較という意味では、2SK2880君、意外と頑張っている印象ですな・・・ というか、2SK246ってこんなにゲイン低かったっけ(笑)
ということでざっとイサハヤブランドの J-FETを味見させていただいたんだけど・・・ 特に2SJ498君は貴重な日本ブランド現役バリバリの Pch J-FETなので大切に使って行きたいとも思う次第。 東芝製でいうところの 2SJ74クラスのハイゲインな Pch J-FETがあれば言うことなしなんだろうけど、今更そこまでは望めないのかな・・・。 あとは、ぜひ秋月さんなんかでも取り扱いをしてもらえるようになれば、値段も下がって万々歳というところかな。
はい、今後に期待しましょう・・・
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