2014年6月22日日曜日

またまた怪しい半導体発見・・・ 「お前は一体ナニモノじゃ?! Part-2」

前にもこのテの話題を記させていただいたことがあるのだが、最近半導体製品を色々なところから購入することが増えてきたせいか、「コレは変だぞ・・・」と思われるのが紛れ込んでくることが増えてきたような・・・

前回のトホホな半導体はJ-FETだったので品種毎の特性の違いが大きく、半導体アナライザでちょろっとチェックをするだけで「別物」という判定は簡単にできたりするのだが、これがフツーのトランジスタだったら判定は難しくなるかも。


いうことで、本日の主人公さんはこの人っ
何だかんだと、フツーのトランジスタで怪しいのを見付けてしまいましたワ・・・
またもや (本来なら) 東芝さん謹製の中型パワートランジスタ 2SA1451A君でごぜ~ます。

昔々に製作したアンプで、故障してしまったため戦列離脱させてトランクルーム行きを命じたのがあるのだが、手が空いたらメンテしてやろうかと考えて今のうちに部品を調達しておこうと、安さにつられてふだん半導体を買わない店を使ったらこんなんが送られてきましたワ・・・


レだけを見ていると特に何も感じないんだろうけど、データシートに掲載されている外観の仕様を見てみると、製品名の表記方法が異なるのが判りますな。
製品名(または略号)というのが A1451Aで、特性区分記号は hFEのランクなので「Y」という記号が下段左側に入るはず。
実物では“A1451A-Y”と一列で記されている上、東芝の「T」マークロゴが他の製品にくらべてやけに太っているのが目に付くのは気のせいだろうか。


ちらは別途千石電商さんで購入した東芝正規品2SA1451A君と、コンプリメンタリのお相手 2SC3709A君。
1個 150円というそこそこなお値段なので、別途「2個で150円」という安価で販売されているのを見付けて手を出した結果がコレなんですがね・・・ 結局買い直しですワ(苦笑;


い、こちらが正規品 2SA1451A君のお顔。 ちゃんとデータシート通りの表記になっとりますな。


は東芝正規品の 2SA1451A君(左)と、怪しい 2SA1451A君(右)を並べて比較してみるの図
パッケージの仕上げが全く違うというレベルで、外観、型番の表記、リード線のハンダメッキ有無など、これだけの違いがあれば、別メーカーのトランジスタに見えてしまうというのが正直なところだ。

やっぱりコイツも「リマーク品」と考えるのが妥当なんだろうね・・・


りあえず両者の特性の違いだけでも簡単に見ておこうと思い、いつもの半導体アナライザにかけてみるも、フツーのトランジスタの場合は顕著な違いが出ない可能性もあるのでちょっと判断が難しいかも。

まずは一通り「Identify」してみてhFEを測り、似たような値のものが出てくればそられをペアにして、Ibを同一条件で変化させながら Ic-Vceの特性を比較してみることにする。


い hFEが同程度のが2組見付かったので、Ibを15uA、30uA、45uAでそれぞれ Ic-Vceの特性をプロットさせてみたところ。 最初はhFEが約185の正規品と怪しいヤツの比較。


いては、同様にhFEが約190の正規品と怪しいヤツ・・・

確かにこれらは「別物」という感じがするのだが、電気的特性からアプローチするなら、これだけの測定結果をもって確定とは言えないのがつらいところか。
今回のターゲットである 2SA1451Aは中型パワートランジスタなので、半導体アナライザの小信号チェックだけではなく、Vcboギリギリの高電圧をかけてブレークダウンしないことを確認したり、数Aの大電流領域までコレクタに電流を流して hFEの変化をプロットしてみるなど、本来の意味での素性を見るためにはさらなるチェックが必要だ。

はい、とりあえず怪しさ満点の素材が一点増えることになったのだが、今回もまだ正規品が入手できる状態だったので「実被害なし」ということで締めくくっておきましょ~かね。
安いと言いながらも何百円かの代金は払っていることにはなるのだが、今回も「お勉強代」と割り切って、返品交渉等はしないことにする。

ではでは、今日のところはとりあえずこの辺で・・・

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